Friday, August 24, 2007

台湾人よりも台湾らしい

以前も話してたかもしれない。わたしは約2年間ほど、千葉にある語学塾で台湾語を教えていた。一対一で、生徒のKさんは正真正銘の日本警察官だった。
台湾語を習おうとする日本人はちょっと珍しいから、開講早々さっそくそのわけを聞いてみた。なんとそのきっかけは、以前台湾に旅行した時、出会ったおばさんに北京語で話しかけたらあまり通じなかったことがあったからだ。

Kさんは警察になる前に大学で中国語(いわゆる北京語)を専攻してたし、警察の勤務で北京語を使う場合も偶にあるため、北京語は堪能なんだ。だから彼は、北京語さえできれば旅行中のコミュニケーションには問題ないだろうと、楽々と台湾へ旅出した。

しかし、Kさんが台湾現地で聞こえた言葉は北京語一色ではなかった。彼は初めて台湾人は北京語でないもう一つの言語を使ってることを知った。そして、その時から、台湾を知るにはまず台湾語を知らないと、と考え始めたそうだ。

Kさんは台湾に旅行した時、台湾の物事がなんだか懐かしいと感じたらしい。そして、台湾語を勉強してるうちに、台湾の歴史や文化、音楽、料理、社会慣習、さらに政治などにも次第にはまってしまった。毎回のレッスンでは、台湾語を研究する時間よりも、台湾をテーマにした雑談の時間が長かった。(Kさん、レッスン代をしっかりもらってたのに、講義をしっかりしなくて本当に悪かった!><)

台湾のことに興味を持った多くの方々に比べ、Kさんの好みはちょっと変わってるらしい。まあ、彼はもう「若者」と呼ばれるのがちょっと無理ある年なんだけど、まだ30代前半だから、一応、「青年」という世代に属してるはず。しかし、彼が好んでるのは、50-60年代の台湾歌謡、田舎の古い住宅、夜市の台湾料理、台湾神社/お寺などといったレトロ系なもの。逆に、今流行りの音楽やアイドルなどはあまり好みではないと、本人がそう言ってた。

来週、いとこがKさんの居る町に個人旅行するから、念のため、わたしが刑事であるKさんに連絡を入れてみた。日本語が分からないいとこのことをちょっと手伝ってもらうこと。ついでに、何かほしい台湾土産ないのかと聞いてみたら、返ってきた返事はいとこを大いに笑わせた。なんと、Kさんが注文したのは、台湾語の辞典、夜市で売ってるような台湾語歌謡曲のCD、台湾のコンビニで売ってるインスタントラーメンだった。

『え~なんだか親父の年代みたいね』、『台湾人より台湾らしいかも』と、いとこが言った。
『じゃあ、もっと台湾らしいものをプレゼントしようか?』と、いとこがニヤッと笑って付け加えた。

いとこに選ばれた「台湾土産」とは最近若者の間にちょっと話題になってる「青白サンダル」のこと。

Kさんが「青白サンダル」を履いてる姿をちゃんと写真撮ってきてよ!と、わたしが命じた。
もし、いとこがこの任務を達成できたら、またその写真をアップするね。
どうぞご期待ください。

Sunday, August 05, 2007

黒って、デザイナーの好み?

7月22、23日、日本の人気デザイナーである原研哉氏、深澤直人氏、山形季央氏3人による講演会が開かれるため、台北市内にある講演会場に約800人のデザイン関係者が彼らのことを慕い、台湾全国から集まってきた。まるでスターを追っかけるように。

「日本新経済的堀起動能-設計力論壇」と題した講演会。
さすが日本を代表するデザイナーたち。
原さんの「Senseware」、深澤さんの「Center of Awareness」、
そして山形さんの「Designgene」、
どの講演も深く考えさせられるものが多かった。
だけど、ここで話したいのは講演会の内容ではない。
内容に関する議論は、きっと他のブログではとっくに多く語られていると思う。そちらに興味があるなら、googleで検索してみることを薦める。

ここで話したいこと、
それは、当日デザイナーたちが着ていた服のことなのだ。
こちらの会見写真を見てもらえれば分かるように、黒一色だった。


しかも、日本のデザイナー達だけではなく、
台湾のデザイナー達もかなり黒かった。

黒って、デザイナーの好みなのかしら?
それとも、黒じゃなければデザイナーっぽくないのかな?

身のまわりにデザイナーという肩書きを持つ、
もしくはデザインの仕事にかかわる友人はたくさんいる。
その中にやはり「黒いファッションが好み」という人が何人か居る。
まあ、確かにデザイン的には、黒は無機質かつ機能的で、
高級感や都会的な雰囲気を感じる色だから、クールでかっこいいというイメージがあるけれども、
どんな人でも黒いファッションが似合うとは限らない。
では、多くのデザイナーが黒ファッションを着たがるのはなぜかしら?
この疑問はずっと前から持っていたが、今回は今までにないほど強い衝撃を受けたので、改めてみんなに聞いてみたい気持ちが高くなった。

「デザイナーと黒好み」の話をデザイン関係者でない友人に話したら、
「だからあなたのブログ背景も黒にしたのか?」って聞き返された。
「え?」「まさか!」

たまたまなのよ。黒を選んだのは。
ほかに気に入ったのはちょうどなかったからさ。
選択肢が限られたため、考えた末、今のスタイルに決めたの。

もしかして、一応デザイン関係者であるわたしも、
潜在意識のなかに、「黒好み」っていう因子が潜んでいた?
誰か解答してくれないかな?