Friday, May 19, 2006

台湾バナナ [その1]


子供の頃に住んでいた家の近くにバナナ園があった。
バナナの木を見るのは当たり前のことだったが、実はバナナの生態についてあまり知らなかった。
先日、日本から来たY先生の通訳を担当したおかげで、台湾バナナについて
少し詳しく理解することができた。

温泉地理学と観光地理学を専門としているY先生は、今年の3月に日本の大学教授を退官になり、台湾のある大学で特別講義をするために3週間ほど高雄県内門郷という町に滞在していた。
内門郷の隣にある旗山鎮は台湾バナナの主要産地として名が知られている。町のほとんどがバナナ畑で、まさに名実ともに「バナナ王国」と言える。
地域のまちづくりシンポジウムで知り合った地元の方がY先生を自家バナナ畑に招き、バナナの生態や採集作業などを見せてくれた。

地元の方の解説を聞いて、バナナの木は一年生植物で年に一回しか実を結ばないことを初めて知った。
バナナの実が成長している間に、親株の根元に子株の芽が生えてくる。親株の実を大きく育てるために、子株の芽が先に刈り取られ、別の畑で新しく植えられる。
そして、収穫を終えた親株は根元から切り取られ、子株の肥料になるのだ。
旗山のバナナ畑では促成栽培ではなく、じっくり成長するため、味、香りが濃くおいしくなる。
子株を植付けた季節によって収穫時が変わってくるので、
旗山のバナナは一年いつでも収穫がある。

ちなみに、バナナの実は木の上から下へ成長していくらしい。
実になり始めの頃のバナナはスマイルのようなカーブではなく、鉛筆みたいな直線なのだ。


写真に映ったバナナの木は約10ヶ月で、
これからは成長につれ、徐々に上のほうに曲がっていく。
バナナの木は見慣れていたが、赤ちゃんバナナってこんな感じなのだって驚きながら少し面白く思った。

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